まずはパーツを並べておおかまかなレイアウトを決めます。
今回はサーバー用ケースを作るので、それにあわせて条件を決めていきます。
・机の上に置いても邪魔にならないサイズ
・向かって右側を開いてメンテナンスする → マザーボードを天地逆配置
・AGP/PCIスロットの廃熱はあまり気にする必要なし
・大容量HDDを搭載するため3.5インチサイズを使用。数は2つ
・5インチベイはDVD-RドライブとバックアップHDDを突っ込むためのマウンタで計2つ
・電源はファンレスのACアダプタで済ませる
・ケース下面から大型ファンで吸気。CPU-ノースブリッジ-拡張スロットとエアフローが回るようにする
こんなところですか。今回は最後の大型吸気ファンの実装が目玉です。
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最初のイメージ |
イメージでパーツを並べてみます。
後々までパーツ交換の融通が利くよう、なるべくパーツとパーツが重ならないように余裕を取りながら置いていくと面白みのない配置になりますな。これで 350mm(H)*200mm(W)*300mm(D) くらいです。電源をAC化して外に追い出した割にあまり小さくなりませんねえ・・・。
HDDが2個入って、下面には専用吸気ファン付き、ネジ穴を測って穴を開けるのが面倒なのと振動防止のためネジ固定ではなく差し込み式、こんな感じのを作ります。
ホームセンターで2.5mm厚MDFボードを購入。910mm*900mmで680円でした。後々の加工まで考えてもこんなに大きな板必要ない気がしますが、売っていないので仕方ありません。
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切り出したパーツ |
この厚みならカッターで楽々切れます。ヤスリで形を整えてパーツ完成。
あとから考えたらこの形はいくらなんでも凝りすぎでした。
電磁波対策のアルミホイルとクッションに戸あたりテープを適宜貼り付けます。戸あたりテープはHDD全体に接触させるのではなく HDDの周りに隙間が空くように貼り付け、吸気ファンからのエアフローが隙間を通って反対側に抜けるようにします。
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完成状態 | クッションの配置と隙間 |
多用途接着剤で全体を貼り付けて完成。
HDDがほぼすっぽり覆われるサイズにしたらつまんで引き出すのが大変になってしまいました。つまみ出すことを考えるとHDDのお尻が飛び出す程度の短さで作った方が良かったかもしれません。
せっかく道具を出してきたことですし、このままマザーボードを固定するベース部分も作ってしまうことにします。
マザーボードは直接ケースにネジを付けて取り付けてしまっても構いませんが、そうすると後述する拡張カードを固定するスリットを開ける際の採寸と調整がとてつもなく大変になってしまいます。必要な手間と割り切って作成してしまったほうが最終的にはよっぽど楽できます。
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拡張カードのスリット |
マザーボードに拡張カードを取り付けるとブラケット部分が下に飛び出します。あらかじめベースの幅を 1.5mmほど長めに切り出しておき、ブラケットに干渉する部分を切り取ってスリットにします。こうすることでカードブラケット上部のネジ止めと併せ、カードをしっかり固定できるようになります。
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完成状態 | マザーボードを取り付けたところ |
マザーボード取り付け用の台座ネジはPCショップの小物コーナーで売っています。ピッチがインチとミリの2種類ありますので好きな方を買ってください。普段よく見かけるネジはミリネジで、インチネジはそれよりピッチが広めです。
今回は2.5mmのハンドドリルで穴を開けてからM3ネジタップでネジ山を切りましたが、木材なら2.8mmくらいのドリルで穴を開けたあと直接ねじ込んでしまっても大丈夫でしょう。仕上げに土台のネジは多用途接着剤で固定します。
ボードを取り付けてみるとかなり横方向に余りますが、MicroATXの規格上ここまではボードのサイズを取っていいことになっています。このベースが入るように作っておけば、あとからパーツ交換することになっても安心というわけです。
それではもう一度パーツを並べてみます。
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もう一度イメージ |
だいたいこれで外装までイメージが見えてきました。思ったより大きくなりそうだなあ・・・。
ここまでで「PCケースを自作する・その1」はおしまい。