Conroeの登場はこのようなIntelの並立状態を解消し、高IPCプロセッサへのリソース集中で劣勢に立たされていたAMDとの戦いを一挙に挽回する重大な転換点となるでしょう。しかしそこに及んでもNetBurstが残る理由はパーツの保守用というよりも同アーキテクチャの失敗を認められないIntelが世代交代の期間を”演出”することによって、あくまでもあるべき当然の流れとしてこうなったのだと顧客に印象づけるための作戦なのではないでしょうか。
このようにNetBurstを挟んだことによって方向性がばたばたしたIntelに対し、AMDは初代Athlon以降一貫して高IPC化と省電力化を推し進め、ほぼ狙ったとおりのポジションに各製品を滑り込ませることに成功しました。最近のAMDは製品の展開について自分の立ち位置とかなり明確なビジョンを持っているようで、NetBurst型とされたK9コアをキャンセルしたと発表して後すぐにK8コアの大幅な拡張版・Rev.Gの情報を公開し、Athlon系アーキテクチャの拡張を更に大々的に行っていくと語るなど、SocketAM2の発展性とあわせてアーキテクチャの安定した進化をアピールするようになってきています。
アーキテクチャを安定させる元々の意図はサーバー向けCPUの実績を着実に積むことにあったのかもしれません。しかしメモリコントローラの統合やシステム内部をHTTで結ぶ設計によって、一つの世代のCPU・チップセットはより長く最前線に留まることが可能になりました。SocketAM2でのプラットフォーム統一はAthlon64以降AMDが黙々と進めてきた規格化の総仕上げであり、膨大な量に及ぶ各種CPUラインナップもある意味その成果そのものなのです。
→いい加減終わらせたいなと自分でも思いながらまだ続く
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