アンドロイドの浸食1

古くはガンプラか、もっと昔から試みられていた2Dを3D化する技術は、既にロボットではほぼ完成の域に達し2D最強の牙城「萌え」へとフィールドを広げつつあります。一昔前のフィギュアは「フィギュアだから」と諦めて見なくてはいけない部分があったものが、最近は2Dから3Dへシームレスに造形されている感じがある。個人的に欲しい欲しくないは別として、欲しがる人が増えたのも分かると言うのはそうした進歩に対する率直な感想です。

元々萌えフィギュアに限らず、人間っぽいものを人間が嫌うのは生理的なものなんでしょう。クローンを嫌う人間の本能について考えていたときにふと思ったのは、もっとも本能的な縄張り意識に依るものなのかもしれない、つまり自身の存在という根源的な縄張りを侵す存在としてクローンやロボット、人形に嫌悪感を抱くのが生き物として正しい反応なのではないかということ。

”萌え”の対象が常に2Dに向かうのは自己の存在を脅かす危険度が他のモノに比べて低いからなのではないか、そう考えると併せてロリコンややおいが伸張していくのも納得のいく話です。簡単に出し入れできて自己に危害を与える危険度の低い愛玩物に対する愛情、それが萌え。ペットに似た部分がありますけどペットは年取って死にますからお手軽度で言うと萌えのコストパフォーマンスはダントツに高い。

萌えの対象はどう進化しようが人工物っぽさ、セルロイドっぽさが無いとないといけないのです。「もしかすると本当にいるかも」と思わせるようなキャラは、その先に自分とリアルに接するかもしれないという連想を抱かせるので普及しない。声優の声と俳優の声がまるで違うのも理由としては同じです、セルロイドの声が普段街で聞こえてくる声なのはまずい。萌えキャラは常に「これは人工物です」と分かる信号をまき散らしながら”生活”することが求められます。

→なんか早くも収集つかなくなってきた予感がしつつ、続く

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このページは2007年11月22日に書いたブログ記事です。

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