内向きに積み上がっていくコミュニティって、ちょっとね

初音ミクの立ち位置がいまいちしっくりこない話。
NHKに出たと思ったら今度は読売の夕刊にも出ていました。まあ夕刊はどうも趣味の怪しげな記者がいるらしくて文化面に初音ミクが出ることくらいはなんてことないんですけど、「これまでにも同様のソフトが出ていたが今回声優を起用したところこれが大受けした」ってくだりがどうも気になってしまって頭に残っていた次第。

DTMってものの事情が全く分からないのでとんちんかんなことを言ってるかもしれませんけど、初音ミクの声が声優であること、あるいはキャラクターデザインがあれであることって、そんなに重要な勝因だったんですかね? どうもそういう括られ方をすることで意味が矮小化されている気がしてならないんですが。

意味とは何か? つまりニコニコ動画という”メディア”の隆盛です。
ニコニコ動画というがらんどうのフロンティアはこれまでの2chとは違い映像と音が基盤となる世界でした。しかし文化的に匿名性を好み、また中途半端なクオリティ(自己満足ともいう)を許容しない日本ネット社会では、制作者側も自分でカメラを回したり声を当てるなんてことはしたがりません。それを補う点で初音ミクの登場はタイミングのいいものであり、またキャラクター自体に「変な色」がついていないのもコミュニティのマスコットとしてはうってつけでした。

メーカーのうまい対応もあり初音ミクは見事波に乗りました。ただそれを報じるマスコミはその波をオタク層であるとしニコニコ動画という本当の波のことを報じようとはしません。これは単に取材能力が劣っているからなのか、それとも意図的なものなのか、一連の報道を見ている側としては”彼女”がマスコミに出るたびになにか薄ら暗いものを感じずにはいられません。

自分のiTunesには初音ミクの曲は入っていません。まあうまいなとは思うんですが、どうもニコニコ動画に価値観を預けるような気がしてしまって、ヘッドホンでヘビーローテーションさせるのには抵抗が、ちょっとね。にちゃんねらーだと思われるのは構わないけど、ニコニコ住民と思われるのはなんかやだ。自分の中でそういう微妙な線引きがあるみたいです。そういうわけで普段初音ミクネタはそんなに書かないんですが、まあニコニコ一周年ということもありましたしとりあえず今日はこんな感じで。

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このページは2007年12月13日に書いたブログ記事です。

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