モンスターハンターはなぜ海外で売れないのか2

とりあえず1のリンク先にあった”おもしろさの深みがわかるまでに時間がかかりすぎる”については違和感を感じつつ話を進めることにして、よく日本人が海外のオンラインゲームを始めると、最初に何をすればいいのか分からず途方に暮れてしまうという話を聞きます。・・・分からないならとにかく目についた物をパンチして、何が壊せるオブジェクトで何が壊せないオブジェクトなのか試すところから始めるだろう、常識的に考えて。まあこれは冗談。ん?冗談なのか?

モンスターをハンティングするゲームの題名がなんのひねりもなく「モンスターハンター」であったことは、このゲームが大ヒットしていると聞いたとき変に感心させられたものでした。”より強いモンスターを狩って強い装備を作る”、この目的のために取る手段が”モンスターを狩って強い装備を作ること”。手段はすなわち目的であり、これはそういうゲームなんです!と題名が断言しています。これでまだ「何をしたらいいのか分からない」なんて言うのならナメクジウオから進化し直した方がよろしい。

大前提からしてMHFは純和風昭和照り焼き醤油味なオンラインゲームであるわけです。
マーケティングの分析はシステムの根幹から徹底的に活かされていると見え、街を歩いていても個人的な雑談が耳に入ってくるようなことははほぼ皆無、臨時PTでもハンティング中のチャットはむしろやっていると死ぬくらいの勢いですし、武器やアイテムの交換などの交易要素も徹底的にカットされています(もっともこれはチート対策の側面から見ても非常に有効ですが)。

モンスターハンターシリーズが元々オンラインゲームとして開発された割に、システムがコミュニケーションの要素をばっさり廃していることは自分から見るとかなり異質です。個人的にはせっかくオンラインゲームをしているんだから中の人が垣間見えるような機会をより多くの場面で求めたい気がしますし、独自の文化・コミュニティがプレイヤーの規模ほど育っていない気がするのも原因は同じところにあるはずです。いきなり他国のサーバーに「Hallo!!」と突っ込んでくる海外の連中からしたら、そのあたりの違和感はもっと強いものでしょう。

一方で、日本のオンラインプレイヤーの大多数が余計な会話はしないでゲームに集中できる環境を望んでいるであろうことも理解できますし、実際開発側もそれを念頭に開発している旨の発言をしているのをどこかで見かけました。

オンラインゲームの「オンライン」部分に重きを置くか「ゲーム」部分に重きを置くかについて、日本と海外の考え方の違いを理解したうえで、MHFは純国内向けとして開発されていることが伺えます。

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このページは2008年10月27日に書いたブログ記事です。

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